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中脇 秀勝

医師 南杏子さんスペシャルインタビュー


南杏子さんは、吉永小百合主演の映画「いのちの駐車場」の原作者で、内科の医師でもあります。続く最新作「いのちの十字路」では、介護と医療の問題を描かれました。スペシャルインタビューでは、南さんに終末医療の現状をお聞きするとともに、これからの高齢化社会において家庭全体のサポーターとなれる家政婦に対して、期待することやアドバイス、家政婦業界のヒントなどについてお聞きしてみました。






Q 33才の時に医師になろうと決意されたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

A 子供の頃から図鑑を見て、人体に興味を持っていました。育児雑誌の編集部で乳幼児の病気に関する記事を執筆した経験から、医学をもっと深く知りたいと思うようになりました。30才で出産し、長女が2才になった時に一念発起、医学部に学士編入して内科医師になりました。


Q 現在は、都内の90歳以上の方々が入院しておられる療養型の病棟も併せ持つ病院で、内科医として勤務しておられるということですが、終末医療について、お考えをお聞かせください。

A 人間は老化が進行すると、生きる力が落ちます。食べ物を消化・吸収する内臓の機能も低下するため、たくさん食べられなくなっていき、食欲そのものが失われる場合もあるのです。それなのに、患者さんに味が薄い減塩食ばかりをすすめて本当にいいのか? しっかりした味付けで、好きなお酒を一緒に飲んだりする方が食欲も出て、長生きに繋がることもあります。リハビリも目一杯やればいいのか?というと、そうとばかりは言えません。無理なメニューで疲れてしまい、かえって食欲が落ちてしまう方もいます。医学のセオリーはひととおりではなく、ひとりの個人のための医療が必要になると感じています。そういう意味で、終末期医療は急性期医療の延長でなく、新しい医療のジャンルかも知れません。



Q 終末期でも家で暮らせるようにするために大事なことを教えてください。

A 日頃の職場の状況から、患者さんとともに、ご家族や弁護士、理学療法士、医師や看護師、ケアマネージャーなどとの人間関係がとても重要だと考えています。私は自分の医療が患者さんを幸せにしているか?ということをいつも考えるようにしています。とりわけ在宅の場合は、患者さんをサポートする家族の存在がカギを握ります。看取りまでの覚悟がご家族にできているのか、理解はあるのか、経済力の状況はどうなのか、例えば、自費の看護婦や家政婦を雇えるかどうかもご本人の快適度にかかわってきます。


Q 国も施設や病院ではなく、自宅での介護を推進する状況になっていますが、この状況をどう見ておられますか?

A 最後の看取りというのは、一般の方にとってはかなりハードルが高いのではないでしょうか? ご家族の精神的な負担が大き過ぎると判断した場合は、入院や施設入所をすすめることがあります。病院に入ればすぐに治療が受けられますし、施設ならスタッフもそろっています。入所費用がリーズナブルな施設も多く、訪問医療などのサービスもうけられます。



Q 医師のお立場から家政婦へのアドバイスや期待の言葉をいただけますか?

A 元気で長生きしておられる方たちは、よく笑います。笑顔で過ごして頂くためには、身近で介護する人が幸せな気持ちでいることがとても大切です。家庭の中で介護する人たちは家事の負担も抱えています。整理整頓やお掃除、洗濯や食事作り、買い物・見守りなど、家政婦さんには温かい心で気配りしていただければと思います。家族が明るい気持ちになれるようなサポートは、患者さんを支える医療にもつながっていると思います。



家政婦は、ご家庭の家事全般(衣食住に係る家事、介護、ベビーシッター、社会関係維持の支援など)をサポートします。南杏子さんのお話は、介護と社会関係維持の支援などにもつながると思われます。スタッフの皆さんは、介護ゃ看取りなどをご自宅でしておられるご家庭でお手伝いをしている方が多く、お客様からの感謝の言葉も届いています。スタッフの皆さんには、引き続き、親身で明るく温かいサービスの提供をお願いします。

公益社団法人 日本看護家政紹介事業協会正会員

熊本市 サン光家政婦紹介所

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