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認知症の主な症状と対処法
認知症には、必ず現れる「中核症状」と、ご本人の性格や環境・人間関係などの影響で出現する精神・行動上の症状「BPSD」があります。中核症状は治すことが難しく、BPSDは投薬治療や接し方によって改善が出来る病気です。いずれの症状にも共通する基本的な対応としては、ご本人の主張を否定しないことです。様々な問題行動が起きるのは、認知症の進行に応じた症状であることを理解し、本人の気持ちに寄り添って接していくことが大切です。以下、公益社団法人日本看護家政事業協会の資料から、中核症状とその対応を紹介します。
覚えておきたい中核症状とその対応
ケース1 軽度障害→日時の感覚の混乱
「今日は何日?」
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答えられなくても問題視しないようにしましょう。日にちは健常者でも分からない位なので、まずはご家族に「今日は何日」などの質問をして頂くようにお願いし、本人の不安を増強しないようにしましょう。目の前に、大きな日めくりカレンダーを置くのも効果的です。
ケース2中等度障害→全体の記憶の障害
「ご飯まだ?」
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話題を変えて、納得してもらいましょう。食べた、という事実を理解してもらうのではなく、本人がいかに納得したかということがポイントになります。「もうすぐできるから、待っていてね」とか、「できるまで、これ(お茶やお菓子などを出し)を食べて(飲んで)いてね」など、話題を変えてみましょう。「さっき食べたばかりですよ」と誤りを正すのは、ご本人の主張を否定するため禁句です。会話は、相手を受け入れることから始まります。
ケース3 中等度障害→「服装が変」
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一緒に選び、褒めて勧めるようにしましょう。みっともない、汚いなどとたしなめることはせず、適切な衣服を一緒に選んでみましょう。「お似合いですよ」と勧められると素直に着替えてくれることも。体調面で不都合がなければ、おおらかに目をつぶることも大切です。
ケース4高度障害→家族を忘れる
「あなた誰?」
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ご本人が描いている人に、なりきって振る舞うことです。家族の名前を忘れたり、別の人と見間違えるなど、目の前の人が自分とどういう関係なのか分からなくなります。「あなたの娘なのに」とか言い聞かせたりたしなめることはしないで、別人を演じてしまいましょう。
次回は「BPSD」と対応(認知症最終回)
熊本県家政婦協会正会員 サン光家政婦紹介所
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